「ADHDに」じゃなく、「このわたしに」向いてる仕事のみつけかた(後編)
前回エントリの続きです。
認知療法などでよく使われる、自尊心をつける方法は「できたことを数える」です。
毎日、何個かでも「その日できたこと」を数えて手帳なり携帯なりにつけていくと、
やがて大きな自信がつくというものです。
すごく効果がありそうですよね。
でも、落とし穴があるのです。
私はその落とし穴にハマりました。
自尊心が低過ぎると、「できたこと数え」が「できないこと数え」になってしまうのです。
どういうこと?って思いますか?
私のつけていた日記から例を挙げましょう。
【今日できたこと】
・朝、忘れずにアクセサリーをつけた
・溜めていた仕事を片付けた
・ぼんやりしてしまう時間がなかった
・終電は逃したけど、パニックにならずに帰れた
これを見て、「私ってなんて色々できるんだろう!自信がついた」とは、到底思えません、よね……。
1番目から3番目は、普通の社会人なら当たり前ですし(男性の方はピンと来ないかもしれませんが、働く女性でアクセサリーなしはあまりいないのですよ)、
4番目に至っては「泣きそうだったけど泣かなかったよ!」というだけです。
できないことばかりいつも印象に残るため、できないことがたまたまできた、が一日の終わりに思い出されてしまうのです。
さらに、できることをするよりも、できないことをする方がカロリーが高いので強く思い出されるのです。
一日のことをこうやって書き出して、「はーあ…できてこんなレベルかぁ…普段はこれもできないんだよなぁ…」と、落ち込む。
何のためにやってるのかわかりませんね。
そもそも、毎日細々と失敗をするタイプがADHDなので、毎日細々と成功系は無理があるのではないでしょうか。
だから、発想の転換です。
「ドカンと一発のために、細々はガマンしてがんばろう」にするのです。
「ドカンと一発」を何にするか、をまず見つけるのが先。
今まで、「人にできて自分にできなかったことがたまたまできた」系の体験ではなく、
「人よりうまくできた」ことを、どんなに細いことでもいいから、捻り出してもいいから思い出す。
また、「ストレスなくできる」という類の出来事も立派な得意分野です。
だって日常がストレスだらけじゃないですか。ストレスなくできる仕事って、すごく少なくないですか?
もはやそれは奇跡の仕事です。
それを紙に書き出して、眺めて、この組み合わせでドカンと一発を狙うなら何だろう、とこねくりまわして考えるわけです。
すると、社会人ならなんかあるでしょう。
学生さんならそれを見て、色んな業界を調べるといいかもしれませんね。
これが「わたしに」向いている仕事。
私の場合は、他人に物を教える仕事や企画、ディスカッションやブレストでした。
そして、今までは仕事に対するモチベーションを
苦手な仕事をこなすこと:得意な仕事をすること=8:2
ぐらいに割り振っていたと思いますが、
これを4:6ぐらいに振り分けるイメージをします。
「労力」ではなく「モチベーション」を振り分けるのがポイント。
多いモチベーション=これをやることで、私はさらに高みに行ける!バリバリ仕事ができる人間になる!
少ないモチベーション=とりあえずこれ済ましておけばメイン仕事に専念できる
というイメージ。
すると、成功するかどうかはまだ私も成功していないのでわかりませんが(笑)
今までよりも精神的エネルギーを消耗せずに仕事が進むのがわかりますよ。
がんばらないほうが、意外と苦手な仕事も進んだりします。
また、苦手な仕事を得意なやり方でできないかと考えるともっとうまくいきます。
これが、ADHD流・向いてる仕事のみつけかただと思います。
ADHDだからこれに向いてるという言葉に惑わされず、「わたし」に向いてる仕事を伸ばしていきましょう。
がんばりますよ!